第二新卒・既卒者の就活方法と最適な開始時期

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第二新卒とは、近年多くの企業が必要とする若手人材です。一度企業に就職した経験を持つ第二新卒には、新卒にはない強みや企業側からのニーズがあります。第二新卒の転職は、就職を希望する既卒者と同様、いくつかのポイントをおさえることが大切です。今回は、第二新卒や既卒者に向けた就活方法と、最適な就活開始時期について解説します。

第二新卒とは

女性

第二新卒には、明確な定義は設けられていません。一般的には、学校を卒業してから企業に就職し、1~3年以内に就職活動する若年層を指します。卒業の対象となる学校は大学に限らず、高校や専門学校、短大も含まれます。4年制大学を22歳で卒業することを考えると、25歳までが第二新卒の対象年齢です。大学院卒業の場合は27歳ですが、社会人としての経験はありません。そのため、この場合も多くが第二新卒として扱われます。また、学校卒業後に正社員としての経験がない若者は「既卒」と呼称されます。「新卒」は、学校を卒業した年に就職した若手人材のことです。

● 学校卒業してから就職した後、1~3年以内に就職活動をする
● おおむね25歳以下の若年層

まとめると、以上2点が第二新卒者の大きな特徴です。ただし、企業によっては、20代すべてを第二新卒者として扱ったり、イレギュラーな対応をしたりする場合もあります。転職時は自己判断せず、必ず求人先の詳細を確かめるようにしましょう。

第二新卒の需要

スーツ

少子化の影響により、新卒人材は減少傾向にあります。企業間では人材の取り合いが激しく、近年の採用市場は「売り手市場」とも言われるほどです。厚生労働省の調査によると、新卒社員の約30%が就職後3年以内に退職しています。そのため、企業側は第二新卒者からも多くの人材を求めているのです。近年は人材不足を理由に倒産する企業も珍しくなく、今後も第二新卒者の需要は高まりを見せると考えられます。
【参考】厚生労働省「新規学卒者の離職状況」

第二新卒に求められるもの

サラリーマン

大手人材派遣会社の調査によると、第二新卒の採用基準として、企業は以下の3点を重要視しています。

1. 入社意欲の高さ 41.5%
2. 一緒に働ける人材か 36.5%
3. 社内と合いそうな人柄か 33.7%

このように、企業は第二新卒者に対し、スキルや経験以上に「人間力」を求めています。正社員として身に付けた、マナーや対応力を重視しているのです。卒業後に一度就職して身に付けたビジネススキルこそが、第二新卒の強みだといえるでしょう。
【参考】マイナビ転職「中途採用状況調査」

第二新卒のメリット・デメリット

メリットデメリット

第二新卒の転職には、以下の3つのメリットがあります。

1. 新卒に比べビジネスマナーが身に付いている
2. 企業の理念や社風へ柔軟に対応できる
3. 新卒に比べ仕事内容を理解しやすい

正社員として就職したことのある第二新卒には、基本的なビジネスマナーが身に付いています。電話応対や名刺の受け渡しなど、いちから指導される必要はありません。また、就業期間が短いため仕事への先入観が少なく、転職先の社風にも柔軟に対応できます。新卒に比べビジネススキルが高く、一歩リードした状態から仕事を始められるのです。これらは第二新卒の強みであると同意に、企業側にとってもメリットとなります。一方、第二新卒は短い期間で再就職を希望しているため、「また仕事を辞めてしまうのでは」と企業側に懸念されるというデメリットがあります。企業によっては第二新卒に対し、新人と同様の教育プログラムを実施することも少なくありません。これらのデメリットを払拭するためには、面接時に転職のポジティブな理由をアピールする必要があります。就業後は、企業の考えに柔軟かつ前向きに対応する姿勢が求められるでしょう。

第二新卒におすすめの就活時期

会議

第二新卒や既卒者には、就活におすすめの時期が年に2回あります。第二新卒や既卒者を含めた求人が増える、4月と10月です。4月は、退職した新卒者や定年を迎えた社員の補充が必要な時期です。そのため、対象の幅を広げた求人募集が増加します。また、10月は異動や転勤による欠員が増える時期です。企業によっては、下半期の開始を10月に設定しています。そのため企業側には、新卒社員と第二新卒の研修を一度に行えるというメリットがあるのです。第二新卒や既卒者の就活は、これらの時期を踏まえ、自身の目指す企業の求人情報を常にチェックするのがおすすめです。

第二新卒におすすめの業界

会社員

第二新卒におすすめなのは、今後の伸びが期待される業界への転職です。具体的には、IT業界やコンサル業界、介護福祉業界などが挙げられます。いずれも今後の成長性が高く、多くの人材が求められる業界です。IT業は、若手人材の雇用に積極的な業界です。社会のデジタル化にともない、今後も安定したニーズが期待されます。プログラマーやシステムエンジニアなどのスキルを身に付ければ、将来的なキャリアアップも望めるでしょう。また、転職者の多いコンサル業も第二新卒を積極的に採用する業界です。コンサル業はチームで稼働するため、コンサル未経験の第二新卒や既卒者も、役割をこなしながらスキルアップすることが可能です。さらに、超高齢化が進む現代社会では、より多くの介護人材が求められています。全産業の採用率15.4%に対し、介護職の採用率は18.2%。事業所によっては未経験者でも始められ、間口が広い業界です。働きながら資格を取得すれば、将来的なキャリアアップも望めます。特に、人との関わり合いを重視し、地域に貢献したいと考える第二新卒におすすめだといえるでしょう。
【参考】介護労働安定センター「介護労働実態調査」

第二新卒の就活

社会人

第二新卒の就活は、第二新卒ならではの強みを理解し、効果的にアピールしていくことが大切です。近年は多くの企業が若手人材を求めているため、「第二新卒だから」と不安を感じる必要はありません。必要なのは転職に向けた意欲であり、仕事に取り組む前向きな姿勢です。新卒にはない第二新卒のメリットを武器に、より自分が活躍できる業界への第一歩を踏み出しましょう。